秋のツアー(後半)


上の写真は、日本に居るワタクシめの良き理解者である夏目久生さん主宰のレーベル、Sakuraphonお抱えエンジニアの鎌田隆宏さんが吉祥寺サムタイムの厨房カウンター席から撮って下さったもの。何気に好きなショットなのでブログに掲載させてもらったのです。(説明が長い、か。)


ぐるっと人に囲まれて歌うレイアウト。
しかも、とてもintimateな距離で。
それも凄いんだけれども、この
バンドに囲まれてる感じってのは
多分、ニューヨークでも、東京でもあまりないんじゃないだろうか?
どうだろう?

音が肌で感じられる距離というのは
感が何よりも頼りっていうワタシのような歌い手にとっては
何よりも有り難いのです。
(はい、耳と皮膚感覚だけが頼りです。笑)
大きいステージももちろん開放的な、抜けるような感じは好きだけれども、
小さいステージで歌うのは心から好きで、きっと一生やめられないと思います。

ちょっと話はずれますが、、、

たまに英語で聞く表現だけれども、
ギグで一緒に演奏するミュージシャンを選ぶ(選んだ)際に
useという言葉を使う方がいます。
英語の文法や表現自体には問題はなく、
例えば、we use the same pianistとか、
I use him on my albumとか、そんな感じで使います。
でも、ワタシの中ではムチャクチャこの言葉に抵抗があって、
同じことを言うなら、自分的にはあくまでも
I play with him on my albumとか、
We play with the same pianistなのです。

理由は至って簡単で、
一緒に演奏するミュージシャンから
ワタシは毎回沢山のインスピレーションっていうんだろうか?
アイディアっていうのかな、をシェアしてもらって、
とてもじゃないけれども、Use/使うなんて言葉では到底片付けられないのですし、
ニュアンスの問題っしょ?みたいな軽い気持ちでも割り切れるものではないのです。

今回のツアーでも、一杯、一杯、刺激を受けて、
アイディアを貰って。
そしてそれらのアイディアは、アメリカに戻って次の何かに
繋がって行くというか、既に繋がって行っていて、
まるでリレーのような感じ。
そのアイディアに巻き込むような感じで
日本の音楽仲間も、アメリカの音楽仲間も、そして自分も一緒に
何か、こう、軌道のようなものにのってます。
皆さん、完全に道連れ(笑)。

このリレー、
バトンを落とさず、発展的に走り続けて行きたいです。


******
完全に道連れにされているうちの一人、
ピアノの古谷淳くんのブログにツアーの感想が書かれていたので
リンクしておきますね。

秋のツアー(真ん中辺)

頑なに守っていること、というか
もの、というか、拘りのようなもの、誰にもあると思うんですが、
一端、ワタシにも幾つかのソレがありまして。
例えば、日本に帰ったら滞在中は可能な限りお魚とご飯を食べる、
なるべくバタバタしないで、各駅停車の電車やバスに乗って移動する、
ほぼ日手帳をゲットする(笑)、なども
小さいながらも拘りの中に含まれてたりします。

些細なことかもしれませんが、何と言うか
拘りというものは、良くも悪くも其の人のバランスであったり、
立ち方みたいなものの構成要素みたいな感じかな、と思うわけです。
音楽に関しても、それなりの拘りは勿論あります。

例えば以前に書いたことかもしれないんですが、
自分がバンドの外側じゃなくて、中にいるという意味での
バンドとして音を組み立てていくこと。
「頑なに」と言ってよいほど、拘っていることの一つ。
もちろん、この部分に拘ると、一緒に演奏ができるミュージシャンの数は
セッション形式の集まりに比べて、絞られていってしまうし、
同じメンバーを集めて演奏するとなると、どうしてもライブの本数は少なくなる。
けれど、そういった部分を代償にしても、
バンド、というよりメンバーに拘ることので得られる「深み」には大きな価値があると思うのです。
そして
この拘り、日本に行っても
「可能な限り」っていう範囲の、一番外側の「最大限」のところまで拘ってみていたりします。
結構、チャレンジングなことだと十二分に承知で、です。

去年感じた「あ!」って感覚を信じて、
今年のツアーに繋げたわけですが、
そうしてよかったな、って心から思います。
そして、ツアーが終わって、
来年にも継続していかなくてはいけないぞという確信へ変わりました。
こういう積み重ねへの努力は、喜びにすら感じるのです。

なんていうか、欲張りかもしれないけれども、
アメリカで歌っても、日本で歌っても
ワタシの歌っていうだけじゃなくて、
自分を含めてのバンドの音を持ちたいのです。

Oscar Petersonの言った言葉に、
“… Jazz is instant composition, instant emotional composing.”
というのがあります。
音楽は全般にも言えますが、
ジャズは、幾重にもパーツが重なってできています(よね?)。
オスカーのこの言葉、瞬間というものの、生々しい部分を切り取る、
計算外の部分を見せる、みたいな部分を良く表している気がします。
こういう部分が一番濃く出たところを皆さんにお届けしたい、っていうのが
今も昔も変わらずワタシの中にあって、
それはこれから先もずっとあり続けると思います。

、、、ってなことを
ツアーの半ばから後半にかけて考えていました。

秋のツアー(前半)

ハリケーン。
出発の前の日に話をした
ユナイテッドのちょっとインド人訛のあるオペレーターの
極めて楽観的な
『大丈夫、あなたのフライト、遅れはあると思うけれども、
飛ぶってスクリーンに出てるから』と言う言葉を持ってしても
自分の乗る飛行機が出発がどうなる確信が持てなくて、
空港までちゃんと辿り着けるのか、
辿り着いたら辿り着いたで、本当に離陸するのか、
飛行機に実際に乗り込んだ後も半信半疑だった。
(なんせ、JFKで延滞が出ると滑走路で3時間待たされたなんていう事例も知っているので
滑走路に出たから出発するとは限らないのがアメリカの航空事情!)

でも、飛行機は飛んだ。
そして飛行機の中で
色々気になることを後にして日本に行くわけだけれども
ワタシは自分の目の前のやるべきことを、全力でやろう、
って決めた。
そして2時間遅れの待ち時間を経て、6700 and some milesを飛んで
無事に成田へ到着した。

話は変わります。

10月の終わりの週には既に六本木では何を演奏しようか
プログラムを組み立ててあり、それを25日のTomi Jazzでのライブで
テスト的にやってみたりしたんですが、
最初にどんなに頭で思い描いて、スムースなトランジションに見えても、
実際にステージ前のサウンドチェックで軽く流した時に
シックリこないものってのは必ず出てくるから、
そゆのをちょちょっと順番を入替えたり、外したり、新しいものを入れたり、
という作業をその場でやって調整するんだけれども、
今回も全く同じことを例に漏れずやったわけです。

で、そういう流れを経て、
初日の六本木のプログラムが下のような感じになり、
これを基本に各会場の時間的な都合や、その日の編成やコンディション、
お客様の感じなどを加味して
ちょっとずつ差し替えなどして8カ所のライブを行っいました。

    今回のツアーの基本メニュー(起点、て言う方がニュアンスは近いかな?)
    になった六本木のセットリスト

    Set 1:
    My Favorite Things
    On Green Dolphin Street
    Do Nothing Till You Hear From Me
    So Many Stars
    Take Five
    In Your Own Sweet Way
    Close To You
    Tea For Two

    Set 2:
    Day In Day Out
    Black Coffee
    Day By Day
    Blue In Green
    You Taught My Heart To Sing
    All Of Me
    Someone To Light Up My Life

例えば、仙台ではDrumlessの編成だったので
Day In Day Outを落として
Alice in wonderlandを入れたり、
吉祥寺ではTea For Twoやらず、
Day In Day Outの代わりに
The End of a Loveaffairを入れたり。
(以後、気分的にDay In Day Outは
六本木でやった後は
結果的に全部落とした形になった。)
So Many Starsは、仙台と六本木だけ、かな?うん。
What a little moonlight can doも
吉祥寺、お茶の水とやりましたね。
ふむ、これは何の差し替えだったんだろう?
あと、お茶の水だけに入っていたものに、
Waveがありました、そう言えば。
袋井では、他ではやらなかったEverytime We Say Goodbyeを。
大阪は、自分の声の調子が悪かったので
かなりプログラムを変更して、
色々、スタンダードをコールしました。
ま、他にも色々と差し替えした曲はありますが、
反対に一貫して、どの会場でも演奏したのは、

    Take Five
    Close To You
    On Green Dolphin Street
    Black Coffee
    Blue In Green
    My Favorite Things

の以上6曲。
うち、録音をしているのはBlue In GreenとGreen Dolphin.
他はもしかしたら、将来的に音源にするかもしれないですよ。

とか言って、ワクワクさせちゃう
悪いヤツ(>自分)

秋のライブスケジュール (Live Schedule in Japan for this Fall)

[Update]
Messages in English followed by messages in Japanese
(英語のメッセージの後に日本語のメッセージが交互に続きます。)

    Japan Tour:
    My ritual Japan visit is coming up in November, and I put my schedule and some detail together in video newsletter (it’s in Japanese and has not translation. sorry!) For those busy bees who can’t have a little break to watch the video, here are the list of venues where I will be at. If you have friends over in Japan, please feel free to FWD this entry itself or even the video link (http://youtu.be/0lQBV3pQOak).

    恒例になって参りましたワタクシめの秋の日本ツアー、今年も11月に伺います!スケジュールをビデオレターにして纏めてみましたので、お時間のある方はご覧下さい。14分程の長さです。ビデオを見る暇もない!という方は下記にざっと演奏するお店を纏めましたので是非、あなた様のカレンダーに印をつけて、次のフライヤー(詳細)が出るのをお待ち下さい!日本国外にお住まいで、お友達が日本にいる方、是非、このブログの記事のリンク、またはビデオリンクをお友達に回して下さいませ(口コミパワー!)ビデオの直リンクはこちらです。(http://youtu.be/0lQBV3pQOak)

    Friday, November 2 Mamiko 4 @ Alfie, Roppongi, Tokyo
    Sunday, November 4 “Jazz Vocal 101 Workshop” @ Organ Jazz Club, Numabukuro, Tokyko
    Tuesday, November 6 Mamiko 3 plus @ Jazz Me Blues noLa, Sendai, Miyagi
    Thursday, November 8 Mamiko 4 @ Sometime, Kichijoji, Tokyo
    Saturday, November 10 Mamiko 4 @ Naru, Ochanomizu, Tokyo
    Sunday, November 11 Mamiko 4 @ Alfie, Kofu, Yamanashi
    Tuesday, November 13 Mamiko 4 @ Star Eyes, Nagoya
    Wednesday, November 14 Mamiko 3 @ Mam’selle, Fukuroi, Shizuoka
    Thursday, November 15 Mamiko + Ro Hasegawa (TBA), Sub, Osaka

    Sara Vaughan Vocal Competition:
    I am just letting you know… The semi-final result or some sort of result will be notified via web on 9/19 (it has been postponed from the original date, 9/12.)

    先月皆様をお騒がせした(!)サラ・ヴォーン・ボーカルコンペ、皆様、応援どうもありがとうございました。今月12日なんだかの発表(多分セミファイナルの結果?)がある予定だったのですが、どうやら延期されて19日になりそうです。何か動きがあった際にはお知らせ致します。