楽譜との付き合い方、のようなものについて

楽譜の話を少ししたくなった。

曲を学ぶ時って、ジャズに限ったことではないんだろうけれど、
聴いてなんぼ、みたいな部分が大きいというか、
それが演奏をする側の共通の認識なんだと思う。
聴くってことは、もちろんライブ、
ステージを生で聴くのももちろんだし、
音源を聴くっていうのも同等に大事だし、
曲をなぞるだけじゃなくて、
色々なパーツを聴くっていう、
重なり合った音を紐解くっていう意味でも音源は大切。
でも、必ずしもそれだけが曲を学ぶ方法じゃない。

当たり前だけれども、
ジャズだと、いつも同じ人と一緒にできるわけではないってのが大前提にあるから、
そういう時の楽譜の必要性が(アレンジも含めて)あるけれども、
ここで話をしたいのは、そういう日常的なツールとしての部分じゃない。

#読む

例えばの話だが、
もしも誰かが自分のために曲を書きおろしてくれたとしたら、
当て書きされたものを手渡されて、歌ってくれって言われるような時、
どういう状態でその楽曲は手渡されるだろう?

ざっと鼻歌歌った音源だけ送ってくる人もいるし、
メモ書きっぽいリードシートを送ってくる人もいる。
歌詞の上に仮コードをふって送ってくる人だっている。
そして、リードシートに歌詞付き、みたいな
ほぼ完全系で送ってくる人もいるわけだ。
音源がついてくるのがデフォルトなわけでは決してない。

#曲の方から見ての「初めて歌う人」

誰かが歌った仮歌を用意してもらえるような
大きな予算のあるプロダクションチームが絡んでいるなら
そこに甘えるのも良いのかもしれない。
でも現実には、ジャズの世界ではそんな恵まれた話を耳にしたことはない。
(ありますか?ワタシはないですよ、、、)

リードシートでも、
それこそ歌詞にコード振っただけのものでも、
試行錯誤
アイディアを練っているうちに、
必ず「何か」が見えてくる。
自分は、そういう入り方というか、
その過程を楽しめるタイプ。
だからと言っちゃなんなんだが、
楽譜から楽曲を起こしていく能力、
息を吹き込むというか。
2次元のから3次元に、というか。
感情を引き出し、
艶を出し、メロディーや歌詞に奥行きを与えていく能力というか、
点と線を立体化するような、
そんな能力が
特に、言葉を扱う歌い手には必要だと信じて疑わないし、
これは、当て書きの曲に限ったことではなく、
自分で曲を探して学ぶ時にも然り。
自分の生徒には、そういう能力を備えて欲しいなと
密かに思っている。

生徒諸君!
たまには全く聴いたことないスタンダードに、
まず譜面から向き合ってみてはどうだろう?

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