紅茶を飲む。
忙しい時は、自分の中の暗黙の了解で
ティーバッグに手を伸ばす。
そう。そういう女だ、ワタシは。
ポットになんて淹れない。
カップにポンと。
湯を先に入れるべし、
などと細かいことは言わない。
そう。そういう女だ、ワタシは。
タイマーを2分に設定する。
2分半のほうがよかったかな、と若干後悔しつつ
抽出中に、植木の葉っぱの具合を見て、
枯れている葉を取り除き、
そのあと、ピアノの前で16小節ほど
準備中の曲を鼻歌まじりに弾いてみた。
タイマーが鳴る。
お茶ができた。
ミルクを注ぎながら思う。
2分という時間の中で
実現可能なことというのは、思った以上に多い。
そして、ぼーっと紅茶ができあがるのを待つ2分も、
植木の世話をする2分も、
全くもって同じ2分だと思うと、
改めて、時間というものの価値を思い知らされる。
そして、その過ぎた2分は、
再び刻まれることはない。