秘書の仕事というか、裏技というか、奥の儀というか、
忍者なら手裏剣、騎士だったら弓矢のような存在として、
Slip Noteというものがある。(slip memoって呼ぶ人もいると思います。)
メモを忍ばせるというか、すっと目の前にメモを置くアクションのこと。
もちろん、手裏剣、弓矢の解釈が一般的な見方かどうかの責任は負いかねます!爆
さてこのslip noteこれをどういうシチュエーションで行うかと言うと、
会議がバッチリ佳境に入ってる部屋にツカツカツカって入って、上司に渡すわけです。
四角い紙(ポストイットとか?色は派手なほうが効果があるとかないとか・笑)に
Your next meeting is about to startとか、
Your boss is asking you to see him NOW!とか、
Finish it up & go to room ####とか、
You’re LATE!とか書いて折って手渡し、もしくは目の前に置いてくる。
それこそ会長やら社長やら、シニアエグゼクティブが一同に揃った大きなミーティングでも、
one on oneのミーティングでも、客人が一緒であってもやります。
大きい音でノックすると会議の流れを止めるから
ノックしないでドアを開けて入るか、もう、聞こえるか聞こえないぐらいの音でノックするかしてから
ツカツカツカっと(笑)。
みな、基本的に秘書が入ってくると、誰を呼びにきたんだろうって見るから、
ニッコリ微笑んでゆっくりと歩く。メモを渡す。去る。
結構な緊張感です。度胸が要ります。まあ、流石に今はもう慣れましたが。
で、ワタシ的にも最も嫌なのが、ほかの秘書の代わりに
自分の上司ではないエグゼクティブにslip noteをしなくちゃいけない時。
大体、自分の上司より身分が上の、役員級の方か、同じぐらいの身分の人が殆どで
その方の秘書からお願いされちゃう。当然、断れない(笑)。
人によっては、「 🙁 」のマークを忘れずに入れてね、などと指定してくる。
基本的に、slip noteされると誰しもありがたく思いつつ、
同時にうざい。(ったら、うざいに違いな~い!)
目覚ましのsnooze機能を人間がやってるようなものなので、
もうちょっと寝かせておいてくれ~(もうちょっといいじゃないか~)
っていう感じのうざさが顔や声、酷いときは言葉になって出るから、
こっちも、いや、ワタシだってslip noteしないで済むならしたくないんです、
でもね、あなたの秘書に頼まれてしてるんです、
そんなにうざがられても!って心で叫ぶことになるが、
ワタシの叫びが本人は届くことはない(笑)。
でも、こんなアクションを許されるのは、ごく限られたシニア・エグゼクティブに付いている秘書であって、
また、それをやられる当人たちも、
自分のステータスの高さを嫌味なく周りにアピールされる瞬間でもあるので、
傍から見てちょっとだけ面白いなあ、って思います。
(ワタシの上司はかなり陽気な人なので、即その場でワタシとメモをネタに、
即効その場で笑いをとろうとするので、その笑いに同調するというextra stepが伴いますが!)
日々、自分の面の皮がどんどん厚くなっていっている気がしてなりません(笑)。